ホワイトプランでいこう

モテたいやつだけ来い。俺をジャンプ台として使え

もう好きじゃない。ラインもしてこないで。part3

僕らはその後も色々な場所へ遊びにいった。

お互いお金はなかったけど、一緒にいられるだけで幸せだった。

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元々彼女は体が弱く、遊びに行くことも少なかったので、なにもかもが新鮮だったようだ。彼女にはツイッターやユーチューブ、アニメやそのほか無料で使えるツールは全て教えてあげた。

特にアニメでは当時流行っていたおそ松さんには僕に教えられてからは全話見てからハマったそうだ。

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今日のデートコースはスターバックス

彼女のお気に入りはスターバックスのダークモカフラペチーノのグランデサイズだ。これも僕が教えてあげたものだ。スターバックスのコーヒーのいい匂いがする空間で僕らは会話を楽しんだ。

その日彼女は色々なことを打ち明けてくれた。

実は自分が鬱であること、そして発達障害であるADHDであることを話してくれた。

ADHDとは注意欠陥多動性障害という脳の先天的な障害のことで、自分の得意なことなどは圧倒的な集中力を発揮することができるが、それ以外はケアレスミスが多いという特徴を持つ。

彼女は自分に自信をなくし、徐々に自分を追い込み病気になってしまった。

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なんとかしてあげたい。

そこで僕はハチミツをこぼした時のことを思い出した。そう、笑いだ。彼女には笑ってもらえる時間を増やしてあげればいいんだ。

それに鬱には楽しい思い出をたくさん増やせば、セロトニンの分泌も増え、完治に近づくという。僕はひたすら彼女を笑顔にする努力を惜しまなかった。

僕は彼女だけのお笑い芸人だった。

愛情表現でテーブルの上で彼女の手に触れた。冷たかった。おそらく自律神経の乱れからくるのだろう。僕は彼女の手が温かくなるまで握り続けた。それを見て、窓の外からは道歩く人からの目線も感じた。後ろを振り向いてまで見てくる人もいた。

「みんな外から見てて、恥ずかしいよ笑」

でも恥ずかしながらも彼女は嬉しそうだった。

一生彼女を守る。そう誓った。

帰りの改札まではお互い手を繋いで歩いた。

お互いの手を最後まで温かく感じた。

僕らはその後も何度も会った。

お互いの愛を感じていた。

そしてひたすら、彼女を笑わせていた。

「友達じゃだめなの?」

しかし、数週間後にあの別れは突然きた

僕はその日、大学の体育館で運動の習慣をつけるためにジョギングをしていた。汗を流し、体を鍛えて彼女のために強くなる。その思いだけをもって。

よし、今日もやりきった。いい汗もかいて、最高だ!

更衣室に戻り、ロッカーからスマホをとりだすと、愛する彼女からラインが来ていた。

しかしその瞬間、来ていたメッセージの意味が一瞬理解できなかった。

「友達じゃ、だめなの?」

体の汗が引いた。

僕は間を置かずにすぐ返信した。

好きだってそっちも言ってたしょ?付き合ってるんでしょ?

ごめん、もうそういう好きじゃないんだ(笑)

彼女からは一定のテンポでラインがくる。

しかもどこか軽く思っているような感じで。

僕はキレた。

ふざけるな。じゃああの好きはなんだったんだよ。

どうやら僕は彼女にとっての本当の

いわゆる、面白くてただの優しい、都合のいい奴に過ぎなかったようだ。

この瞬間から僕の中の何かが崩れ落ちた。

なぜあんなにも好きと言ってくれていたのに、友達?

俺は友達になりたくてそばにいたんじゃない。一人の女性として君を愛していたんだ。

しかし、この時は理解したくなくても、自分の中でははっきりわかっていた。

もう、彼女の世界から男としての僕は消えたのだ。

くどいわ

もう好きじゃない。ラインもしてこないで。

この一言を最後に彼女とは連絡が取れなくなった。

そのとき更衣室で僕は一人ぽつんと立っていた。

帰り道、外はすでに夕暮れだった。

太陽は一人、地平線へと静かに沈みながらどことなく寂しげであった。

周りにはたくさんの人が歩いている。中には仕事帰りのサラリーマン、学校終わりの学生、そして、カップル連れだろうか、二人ともどこかへ向かって歩いている。幸せそうに。

人を好きになるってなんだ。

女たちは都合のいいと思った男は片っ端から利用し、搾取する。今回のあいつもそうだった。今までの他の女どもと変わらない。

なんでこんなひどいことができる?

それでも人間かよ。

彼女の存在が消えたことで、僕の体の一部が抜き取られたような感じがした。

今までも女性との付き合いで何度かフラれてしまったことはあったが、今回の件だけは別。

この頃から女性に対して軽蔑の感情を持ち始めていた。

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そしてもう何も考えらなくなった。

END